パンフレット掲載
第18期生卒塾文集
入塾募集案内2025掲載分より
◆ 中2男子
私は1年間バッカーズ寺子屋に通ってよかったと思うことがあります。それは、世界が広がったことです。どういうことかと言うと、バッカーズ寺子屋に通う前までは、家と学校と塾とを行き来するという普通の生活でした。もちろん学校はさまざまな友達と遊べて楽しいですし、塾ではいろいろなことを学べます。しかし、バッカーズ寺子屋に行って出来た塾生との絆は他に変え難いですし、ここで習ったことは他のところでは習えません。例えばチームワークの大切さ、礼儀作法など指に挙げきれないほどです。初めのうちはバッカーズ寺子屋にはあまり行きたくないと思っていましたが、バッカーズ寺子屋の頻度は2週間に1度とちょうど良く、行くたびに良い学びができるので、次第にバッカーズ寺子屋に行きたいと思うようになりました。
中でも企業訪問に行く講座の時がとても楽しみでした。なぜならどの企業訪問もとても楽しい体験ができるからです。特に印象に残った訪問が3つあります。株式会社諸戸ホールディングス、日本交通株式会社、フォーティーファイブアールピーエムスタジオ株式会社です。株式会社諸戸ホールディングスでは林業で何をするかなどを説明していただいた後、実際に木を切る一連の流れを見せていただきました。木を切るまでにも周りの邪魔なものを動かしたり、切る方向を調整したりと大変だなと思いました。ちなみにその時にいただいた切り株はまだ家にあって、大事にしています。その後に川辺でしたバーベキューでは麺が伸びてしまい、色々なハプニングがあったけれど、とても楽しかったです。
次に日本交通株式会社です。日本交通の企業訪問に行ってはじめに驚いたのは、駅までタクシーのお出迎えがあったことです。営業所があるところまで行き、運転手の方々が出発前にどんな点検をしているのかを見て、仕事のリアルさを感じました。またタクシーの助手席に乗って運転手の方と一緒に街を走ってお客さんを乗せる体験がとても楽しかったです。「事前にお客さんにはこういうサービスをするんだよ」といった説明を受けていたので、お客さんと会った時にどのタイミングでこれを言うか、などの心遣いを生で見ることができ、とても勉強になりました。また、タクシーに乗りに来るお客さんには様々なタイプがあって、お支いの時の払う方法もみんな違って驚きました。全くの無口の方もいれば、積極的に運転手さんに語りかけ、実習中の私にさえ面白く話をしてくれる方もいて、運転手さんという仕事はとても大変だということを教えていただきました。しかしそれと同じくらいタクシー運転手は楽しい仕事だと、新しいことを知ることができました。
そしてフォーティーファイブアールピーエム株式会社の企業訪問についてです。エレベーターを使って会社の階に着いたら、扉が開いた瞬間に社員さん一同が一斉に挨拶をしてくれたのを聞いて凄く良いなと思い、おもてなしは相手に良い印象を与えられるものだと再認識しました。そして藍染めに使う藍の染料を作っている方から、藍を作るまでの工程を全て見せてもらって、とても労力をかけた結果にできるものなのだと感動しました。同時に作るまでの管理がとても厳格なことに驚きました。その後雑巾を作る体験をしました。私が作りたいなと思ったあやふやなイメージを、職人さんが設計図を書いて具体的な構想に変えてくれて、雑巾とシャツの一部からとっても綺麗なミトン手袋のような形をした自分だけの雑巾を作ることができました。雑巾として使って汚すにはもったいなさすぎるくらい理想的なものができてとても嬉しかったです。ものを作ることの喜びと大変さを一緒に知れた良い体験でした。
また、私がバッカーズ寺子屋に1年通っていてとても楽しかったのが、3回あった合宿です。1回目の萩合宿では吉田松陰について学ぶとともに、まだ会って間もない塾生同士が仲良くなれる良い機会でした。1日目の夜に、ホテルの部屋でカードゲームをして遊んだり歌ったり、遅くまで起きてみんなで遊んだりしたことがとても楽しかったし、あの時仲良くなれたから今の関係があると思うと、とても大切な時間だったと思いました。次の日は海や山の中の川辺で、1日中新鮮な体験ができました。朝早く起きて釣りに行くと、釣りの経験がなかったのに、自分たち自身の力でエサを使い、魚を呼び寄せ、魚を釣り上げることができ、自分ができることが増えてとても嬉しかったです。その後、萩しーまーとで、班で話し合って夜に行うバーベキューで使う食材を好きに、そして自由に買った時には、予算など限度のある中で調整すること、自分たちで決めることの楽しさを学びました。そして、釣った魚を洗って頭を取って食べられる部分に分けたり、バーベキューで使う火が木を使ってもなかなか点かなかったのを安定させて燃えるようにしたりと自力で色々な体験ができました。夜のバーベキューでは1日中準備していた甲斐があって、始めから終わりまでとても楽しい時間を過ごせました。その他にも吉田松陰や萩についてよく学べてとても楽しい合宿でした。
次に行った島根県の足立美術館研修の出雲歴史博物館においては、昔の色々なものが見ることができました。中でも一番衝撃的だったのは古代の出雲大社の再現です。こんなに大きなものが昔はあったのかと思って見ていたら、それが実は1/10サイズの模型だと知って、古代の人々が100メートル級の巨大な木造建築を創ることができたことに衝撃を受けました。他にも神話についての説明付きのアニメーションを見ることができ、日本史の授業で習っていた古事記や銅剣、銅鐸といった昔のものを見ることができ、学びになりました。実際に体験できるコーナーでは昔の電車に乗ったり、昔の人が製鉄に火を起こすのに使っていた“ふいご”を自分の足で動かしたりと良い経験になりました。現在の本物の出雲大社を見た時、正面から見た、しめ縄の太さに驚きました。そして合宿のメインの足立美術館を見学した時には、その庭園が世界一だと言われ続けていることに、納得できるほど美しい景色に驚きました。生の額縁という、部屋の壁に穴を開けてその穴から見える庭園や滝の景色全てを絵とみなす表現には、心から感銘を受けました。それらの絶景の裏では、庭師の方々が石の置き方一つ一つから計算して毎日手入れしていることが理解でき、とても感心しました。横山大観の数羽の鶴を使って「寿」という漢字を表している絵と、南海観音立像という、まるで生きているかのように思わせる観音様の木の像が印象に残りました。自分の目で見て自分の知見を広げられた良い体験でした。
そして最後に行ったのが卒塾前研修の萩でした。この研修では普段どれだけ大切な時を過ごしているか、仲間同士で気を配ることの重要さについて学びました。海潮寺で座禅体験をして、お寺に入ってから出るまで全く喋らずに座禅を数十分組みました。体も固定して声も出さず、ひたすら体が抑制された状態だったからか、むしろ頭が活性化して座禅している間、頭の中で色々なことが浮かんできて、数十分が一瞬に感じられました。都会では、常に何かしらの文明の音にさらされています。普段の日常では再現し得ない貴重な時間の過ごし方でした。萩往還を歩いていて、全員で音を出さずに座禅を組んで瞑想した時も、風の通り抜ける音、鳥の声、虫の羽音といった都会では意識しない音を集中して聴いていた時も同じことを思いました。また、萩往還は約30キロという大変な長さで、みんながきついと思っていたと思います。そんな中で体力に余裕がある人はみんなの手助けをし、皆を励まし、楽しいことをして気を紛らわせ、みんなは前について行き遅れて迷惑をかけないように行動するという、全員が全員に気を配っている様子を見て、これこそが本当のチームワークなのだと感動しました。
楽しいことだらけのバッカーズ寺子屋に通うことができて、バッカーズ寺子屋に関わる全ての人には感謝しかありません。バッカーズ少年教育10原則や論語抄をはじめとした、ここで学んだことを活かして、これからバッカーズ寺子屋の名に恥じないように生きたいです。18期生のみんなとはまたいつかどこかで会いたいです。本当にありがとうございました!
◆ 小6女子
バッカーズ寺子屋では、私が知らなかった知識、歴史のストーリーを学び、今までやったことがない貴重な体験を反省する機会を頂き、また楽しいことを沢山しました。私がバッカーズ寺子屋での1年間で得たもの、学んだこと、気づいたことは3つあります。
1つ目は、人を思いやることです。卒塾前合宿で、2チームに分かれて萩往還の約30キロを歩きました。私は、前半で走ったり、はしゃぎすぎたため、後半のチームで歩く時に体力がなくなってきていました。チームで行動する時に、その時早く歩けなかった仲間のことを考えずに、数人で早く歩いてしまったり、「疲れた〜」「足痛い〜」など、意味のないネガティブな発言をしてしまったりと、体力がなく自分に精一杯で周りに気を使えず、あの時に、周りを見て行動すればよかったと反省しました。みんな疲れているはずなのに、重いリュックサックを代わりに持ったり、フォローする発言をしたり、ポジティブな発言をしてくれた人がいたりと、自分は陰で沢山の人に支えられていることに気づき、感謝の気持ちでいっぱいになりました。だから、私もこれからは常に周りを見て、困っている人がいたら積極的に助けたり、ネガティブなことをポジティブに考えて、人をもっと思いやれるように意識していこうと思いました。
2つ目は、大事な3つの言葉です。それは、バッカーズ寺子屋で教えていただいた後、自分が失敗をして、「自分はこの言葉を大事にしなければならない」と思った言葉です。そのうちの1つ目は、「やりたいことよりやらなければいけないことを先にする」「後回しにしない方がいい」という言葉です。この「やらなければいけないことを先にする」という言葉は、麻生会長が講座でお話ししてくださった金メッセージの1つです。私は、バッカーズ寺子屋の後半の方のレポートを出すのに遅れたり、出せていないレポートがあったり、今までしなかったような忘れものをしました。この原因の1つは、やりたいことを先にしてしまい、やるべきことをする時間がなくなったということです。学校で習ったことを家で復習する時も、先に好きなテレビを見てしまって、やるべきことをする時間がなくなり夜遅くに寝ることになってしまう日があります。また、今年、中学1年生になって今までしなかったような忘れ物をして、なぜそうなったのだろうと振り返ってみると、メモした手帳を見ていなかった、やらなければいけないことより、やりたいことを先にしてしまったからだと気づきました。やはり目の前にある「やりたいこと」は、魅力的でそっちを先にやった方が一見楽に見えてしまい、先にしてしまいます。このことを続けていたら、これから先の人生でも「これをやらないといけなかったのに……先に違うことをしていたから出来ない」と悔やむ日が来ると思うので、学校から帰ったら先にするべきことをやってから、やりたいことをするように毎日しようと思います。「後回しにしない」ということは、後回しにすると色々なことが溜まって一気にやらなければいけなくなって後の自分が苦しくなり、自分で自分の首を絞める結果になってしまうということだと学びました。バッカーズ寺子屋が終わった日曜日に緊張がとけて、明日やればいいやと思ってそのまま出来なかったという経験から学びました。お話や、貴重な体験をして、私が唯一感謝を伝えられるものなのに、出来なかったレポートや遅れたレポートが出来てしまい申し訳ないです。学校の課題でも、今日はいいやと思って、提出日前日の夜に急いでやるのではなく、課題があると言われた当日からやり始めて余裕が出来るようにしようと思いました。その日に時間があるなら、その日中に終わらせるということを習慣づけます。
2つ目の言葉は、「時間は信頼」だということです。信頼は1度なくすともう戻せなくなってしまうともいえます。約束の時間に遅れ、その日に提出しなければいけないものをその日に出せないと信頼を失ってしまいます。私は時間に遅れてしまうことが何回かあり、それで信頼を失っているのかと思うと、恐ろしいです。日々の自分の行いで信頼を得るか、得られないかは決まり、人は意外と自分の行動を見ていて、1度信頼をなくすと、取り戻すことはなかなか出来ないと学びました。これからの中学校生活なども、信頼を失わないよう時間厳守を徹底しなければいけないと思いました。
3つ目の言葉は、「ネガティブ発言はしてはいけない」という言葉です。このネガティブな発言をしてはいけないという言葉は、バッカーズ寺子屋で1番初めの合宿、萩の合宿でも教えて下さっていたことです。自分でも、ネガティブな言葉を言うよりポジティブな言葉を言っていた方が明るく楽しそうだと思っていました。けれど、経験を通じてよく感じたのは、萩往還の30キロという道を歩く最後の合宿でした。自分が、「足痛い……ぜーぜーはーはー」、「お昼まだかなー」、「な、長い」、とネガティブな言葉を言っている時と、ネガティブな言葉を聞いた時に、心の中がなんだかもやもやとしました。無意識に発言してしまうネガティブな発言は、一言で周りの雰囲気を暗くしてしまうだけだと、最後の合宿で改めて学びました。今までは、そこまで思っていないのにポロっと言ってしまったり、ネガティブな言葉に、そこまで思っていないのに共感した言葉を言ってしまったりしていました。言ったり聞いていて心がもやもやするため、最近はネガティブな言葉をポジティブな言葉に変えて相手に返事をしたり、自分に言うようにしています。
◆中2女子
入塾から卒塾までの1年間は、私にとって怒涛の日々でした。最初の頃は今まで学校で習っていたのとは全く違う、新しく刺激的な学びを学ぶことがとても大変でした。毎回講座が終わる度に疲れ果てていて、バッカーズ寺子屋に対して正直「疲れに行く場所」だと思っていました。また、帰宅後の苦手なレポート提出、先延ばし癖……そんな自分への嫌悪感との戦いの1年でもありました。木村塾長やスタッフの方に支えていただきながら、卒塾を迎えるのは大変感慨深いです。私がバッカーズ寺子屋で学んだことは数え切れないほどありますが、その中でも大きく印象的なものを3つ挙げます。
まず1つ目は聴く力についてです。それも「攻撃的に聴く力」です。積極的に聴くという言葉がかすむくらい、インパクトが強い攻撃的という言葉に、最初はどのようにやればいいのかわかりませんでした。なぜなら、私は常に受動的に聴いてきた人間だったからです。ですが、何度目かからの講座を機に、私はついにこの攻撃的に聴く術を身につけられました。具体的に説明すると、人の話の最初から最後まで、その人がどんな表現を使ってわかりやすく描写を伝えていたのかまでわかるようになってきました。「今のこの表現素敵だな」「こんな言い回しの表現の仕方があるんだ」「語彙が多くカッコいい」と思うことが増え、英語のリスニングのように前のめりで聴くことにより、発見が増えたことに驚きました。またメモを取ることも慣れてきたので、聴くこと自体が楽しくなりました。
次に2つ目はスピーチについてです。入塾前は、人前に立って発表することは苦手ではないけれど、用意した原稿を読み上げるか、暗記したものを思い出しながら目線は何処か一点に集中させるという、聴衆のことを考えてスピーチをするという概念はありませんでした。そしてそれがスピーチや発表の基本だと思っていました。学校では周りの子たちもそのスタイルでしたし、正直、スピーチというものの本質について教わったことや考えたことがなかったからです。ですが、バッカーズ寺子屋での原稿の用意も暗記もしないでスピーチをするという教えに最初は非常に動揺しました。足立美術館研修の合宿の際、スピーチを準備する時間がほとんどなく、そこで初めて暗記せず話したい要点だけを考えたスピーチを行いました。本番直前まで塾長がおっしゃっていた「友達に話すかのように。友達に向かって話す時に原稿はいらない」という言葉を思い出しながらイメージトレーニングしました。しかも本番ではトップバッターでスピーチをすることになり、緊張は絶頂に。少し詰まってしまったところもありましたが、丸暗記した時 特有の一文字間違えただけで頭が真っ白になるということがなくなり、むしろこちらのやり方の方がやりやすく自分に合っていると実感しました。言いたいことの柱を立てた後はほぼアドリブで話す訳ですが、同じやり方でやった同期生のみんなのスピーチ1つ1つがその人の個性がよくわかるもので、永遠に聴いていられる興味深いものでした。バッカーズ寺子屋で自分に合ったやり方でやったスピーチが上手く行ったということから自信がつき、スピーチに対する嫌悪感や不安、苦手意識、暗記の無駄な時間などがなくなりました。 最後に3つ目は考え方についてです。バッカーズ寺子屋の講座の中で私が特に楽しみだったのは企業訪問と経営者講話でした。なぜなら、自分の知らないことを沢山知ることが出来るし、バッカーズ寺子屋に入塾していなかったら、経営者の皆様のお話を聞くことは出来なかったからです。経営者講話では、経営者の方全員のお話が面白くて興味深くて、印象に残っています。ですが、その中でも特に印象に残っているのは株式会社エンプラス代表取締役社長の横田様のお話です。お話の中で横田社長は「さっさと失敗して、さっさと行動して、さっさと学んでこい。」とおっしゃいました。私はそれまで未来や将来について漠然とした不安と恐怖しか感じていませんでした。社会に出ることはとても辛いことだと勝手に認識していました。ですが、横田社長のお話を聞いて、まずは行動してみる。そして失敗したらその失敗から学べばいい。と考えることが出来るようになり、なんとなく「こうすればいいんだ」と社会に対する恐怖や不安がやわらぎ、その言葉にとても勇気を貰うことが出来ました。ここで貰えた勇気は私がバッカーズ寺子屋に入塾していなかったら間違いなく貰うことの出来なかった勇気です。1年前の入塾したての頃、塾長が「1年後、卒塾する時には絶対にバッカーズ寺子屋に入ってよかったと思うようになるよ」とおっしゃっていました。その時はその言葉を信じることは出来ませんでした。ですが今、その言葉を本当に心から感じることが出来ています。
1年間25講座バッカーズ寺子屋で受けてきた中で、私は自分の中になかったものを手に入れたり、視野が広がりました。また、第2回スピーチコンテストの「日本の未来」では防災について調べました。その際、本当に災害が起きた時は、私が助けてもらうだけではなく、しっかりと準備した上で、他の人のことも気にかけられるようになりたいと思うようになりました。災害時は誰しも余裕がなくなります。そういう時に不安や混乱に押し流されず、余裕のない人たちを助けられるようなリーダーになりたいと思いました。そのきっかけをくれたのもバッカーズ寺子屋でした。
最後に木村塾長、綿野さん、バッカーズ・ファンデーションの皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。それと幾度となく、心が折れそうになったこともありましたが、挫折せずに1年間受講出来たのは、18期生の仲間がいたからだと断言できます。セコムホールでのお弁当の時間は、みんなスクリーンに向かって一方向で食べているけれど、何故か全員での会話が成立して笑いも絶えず楽しかったです。心と心が通い合っていたから自然な対話が出来たのだと確信しています。
そして萩往還では、歴史と自然を感じながら励まし合い、笑顔の皆と完歩出来たことは一生の宝物です。本当にありがとうございました。
◆中2女子
1年間バッカーズ寺子屋に入塾して、様々なことを学ばせていただいた中で、私が特に学んだことは「リーダーの在り方」についてです。「リーダーとしてふさわしい行動か」などというお話は、最初の萩オープニング合宿の時から塾長がよくおっしゃっていたのですが、正直最初はリーダーがどのような人であるべきなのかということについてよくわかっていませんでした。しかし約30日の講座でたくさんの企業経営者の方々のお話を伺ったり、本当に貴重な体験をさせていただいた中で、少しずつリーダーの在り方についてわかってきたような気がします。今回は私がバッカーズ寺子屋の講座で感じた、トップに立たれる方の共通点について3つ書きたいと思います。
まず1つ目は、リーダーとなる人は「逆境に強い」ということです。経営者講話ではたくさんの企業トップの方が様々なお話をしてくださり、成功したお話はもちろんのこと、うまくいかなかったことや苦労したことなどのお話もたくさんしてくださいました。どの経営者の方も必ずおっしゃっていたことは、失敗を恐れないで挑戦する、ということです。「ピンチはチャンス」「失敗を乗り越える」「チャレンジする」「失敗を後悔するのではなく失敗から学ぶ」「成功しなくても挑戦が大事」など、たくさんの「失敗」と「挑戦」に対してのお話を伺いました。その中でも特に印象に残っているのは、株式会社サンコーシヤの伊藤眞義様のお話です。伊藤様は、「失敗してしまった時に『できなかった理由を外部に求めたがる甘えの気持ち』があることが、ほとんどのうまくいかない理由だ」とおっしゃっていました。バッカーズ寺子屋の今までのノートを見返した時にそのお話を思い出し、講話をしてくださった経営者の方々は皆さん、うまくいかなかった時に何かのせいにするのではなく、「自分の信念が足りなかった」などと自分には何が足りなかったのか考えられていたなと思いました。「失敗を恐れずにチャレンジする」ということは昔からよく言われていることでしたが、いざその場になってみると怖くて挑戦することができなかったり、「うまくいかなかったのは○○だったからしょうがないよね」などと逃げてしまうことも多かったのですが、実際に大きな成功をされて、たくさんの人をまとめられているトップの方が口を揃えてチャレンジすることの大切さについておっしゃっていて、逆境に立ち向かうトップの方達の心の持ち方や、まっすぐに自分の信念を貫くかっこよさを感じ、「失敗なんかを恐れて行動しないことの方がかっこ悪いな」と思えるようになりました。
次に2つ目は、「周りを見て自分から動く」ということです。このことの大切さについて特に感じたのは、萩往還合宿です。萩往還での約30kmは、班のみんなでしりとりをしたりし、とても楽しかったのですが、私は序盤からすでに列の後ろの方を歩いていました。しかし往還後の夜のミーティングで塾長が、歩く時に「後ろに行けば行くほどついて行く感覚になる」ということをおっしゃっていて、はっとしました。私は「頑張ってみんなについていこう」という気持ちだけで、みんなを引っ張っていく勢いで歩くということは全く考えていませんでした。荷物を持ってもらったりと迷惑をかけてしまい、助けてもらってばかりで、周りのみんなのためにほとんど何もできていなかったなと思い、約30kmを歩ききって達成感を感じていたけれども自分は何もできていなかったなと、とても反省しました。みんな同じ距離を歩いてきていて同じように疲れているはずなのに、その中でも「頑張ろう!」などと声をあげてくれる仲間や、常にみんなの先頭を歩いてくださっていた塾長は本当にすごいなと思い、尊敬しました。疲れている時に話しかけてくれる友達がいたり、冷たいものを貸してくれた友達がいて本当に嬉しかったし、心強いなと感じました。その友達たちがしてくれたように、私も自分のことで精一杯になるのではなく、常に周りを見て、自分から声をかけたり、助けてあげられるような人になりたいなと思いました。みんなを引っ張っていける人は、自分のことだけでなく常に周りの状況を把握し、行動できる人なのだなと感じました。
そして3つ目は、「いつも笑顔で、相手の話をよく聞く」ということについてです。バッカーズ寺子屋での1年間でたくさんのトップの方とお会いしいつも感じていたことは、みんな優しくて、笑顔で、ユーモアもあるということです。初めは、経営者の方はとてもすごい方々なので経営者講話がある時は少し緊張していました。しかし講話を伺うと、いろいろなことをとてもフレンドリーにお話ししてくださったり、ユーモアがあったり、何よりもずっとにこやかにお話ししてくださいました。私たちが質問などをした時にも、とても真剣に話を聞いてくださり、細かいことまで丁寧に1つずつ答えてくださいました。真剣に相槌を打ちながら話を聞いてくださるので、とても質問もしやすく安心することができました。経営者の方だけでなく、塾長やスピーチの練習の時などの友達など、相手が目を見て相槌を打ちながら真剣に話を聞いてくれていると、とても話しやすいし嬉しいなと感じていたので、私もメモをとりながらなるべく目を見たり、共感したりしながら話を聞くことを心がけています。真剣に話を聞いてくださったり、いつもみんなに裏表なく笑顔で接してくださる経営者の方々や塾長のような人についていきたいと思ったので、リーダーは「常に笑顔で、相手の話をよく聞く」ということが大切になってきて、そのような人に周りの人はついていくのだなと感じました。
このようにこの1年間で私は、経営者講話などを通して、リーダーは何事にも挑戦し、常に周りを見ることができ、笑顔で明るいのだということを学びました。私はまだまだ未熟なことばかりでたくさんの人に助けてもらっていますが、バッカーズ寺子屋で学んだリーダー像に少しでも近づけるように頑張りたいと思います。このレポートには特に学ぶことができた「リーダーの在り方」について書きましたが、その他にもバッカーズ寺子屋での1年間では、「話す力」「書く力」「聞く力」「仲間との助け合い」など本当にたくさんのことを学ばせていただきました。この1年間で少しでも心の持ち方などが成長できれば嬉しいなと思い入塾したので、最近父と母や祖父母が「この1年間で成長したね!」と言ってくれたことがとても嬉しかったです。そして何よりも毎講座毎講座が本当に楽しくて、いつも家に帰ると「今日こんなことをしたんだよ!」といつも自慢していて、12月くらいからは「あともう半分もない……」「もうすぐ卒塾だ……」などと嘆いていました。他にも私は学校の制服がセーラー服で、小学校から12年間女子校なので、ずっと憧れていたブレザーを着て、少し共学気分も味わうことができ、「青春してるな〜」と感じることもできました。18期生がこのメンバーで良かったなといつも思っています。バッカーズ寺子屋での1年間は私にとって本当に宝物です。もう卒塾はしてしまいますが、バッカーズ寺子屋で得た本当に貴重な経験やお話、塾長のお言葉をいつも心に留め、これからもバッカーズ寺子屋の18期生として胸を張れるように得た学びを活かしていきたいと思います。1年間たくさん私たちを支えてくださった塾長、綿野さん、バッカーズ・ファンデーションの皆様をはじめとするたくさんの方々、お父さんとお母さん、そして一緒にたくさんのことを学んでくれた18期生のみんな、本当にありがとうございました。18期生のみんな大好きです!